セダン廃止で新型｢パサート｣はどうなったのか？ 出来は上々！コスパ高いのは最上級グレードか

今や貴重なステーションワゴンボディを持つ新型「パサート」（写真：フォルクスワーゲン グループ ジャパン）

主市場のSUV人気に圧されてセダンを廃止し、ワゴン車型のみにするなど、背水の陣を敷いたような状況下での発売だが、乗ってみると、走りのよさに感心させられた。

2024年11月、フォルクスワーゲン ジャパンの手で日本導入された新型パサート。第9世代になる今回のモデルは、2023年秋に本国で発表された。このとき話題になったのは、従来、セダンとステーションワゴン（ヴァリアントと呼ばれた）の2本立てだったパサートが、ステーションワゴンに一本化されたことだ。

SUVでなく、あえてステーションワゴンで勝負に出た新型パサートの出来を一言でいえば、「期待以上のよさ」。

日本に導入されるパサートは、前輪駆動がマイルドハイブリッドの「eTSI」とプラグインハイブリッドの「eHybrid」の2種で、ほかに4輪駆動で2.0リッターディーゼルを積む「TDI 4MOTION」がある。

新型「パサート」は左のEleganceと右のR-Line、大きく2つのデザインテイストがある（写真：フォルクスワーゲン グループ ジャパン）

ここで紹介するのは、外部充電可能で142kmのEV航続距離をもつeHybridだ。

新型パサートの魅力を簡単に説明すると、トルクがたっぷりあって加速性にすぐれ、静粛性が高く、室内は広い。「フォルクスワーゲンのファーストクラス」というメーカーのうたい文句もおもしろい。実際、パッケージングもよく、後席の広さは特筆ものだ。

常に「注目すべきモデル」であるパサート

パサートは、「ゴルフ」とともにフォルクスワーゲンの屋台骨となる車種で、第1世代「B1」は1973年のデビュー。3つの車型があり、日本に導入されていたファストバックは、セダンとステーションワゴン（ヴァリアント）の中間となる、新しい車型がユニークだった。

そのあとも、第6世代にあたる先代「B8」にいたるまで、つねにパサートは注目すべきモデルとして君臨してきた。