そのうえで、「ビジネスクラスの車両であると同時に、ファミリー向けのオールラウンダー」という役割を与えたという。
新型パサートのボディサイズは、全長4915mm×全幅1850mm×全高1500mm。数値から想像するより車体は厚みを感じさせるデザインで、リアゲートもやや寝かされ、SUV的なおもむきが感じられる。

とはいえ、デザインのイメージは総じて、おとなしい。前記のようにビジネスクラス、つまりドイツの会社などで見られるカンパニーカーを意識したせいだろうか。
カンパニーカーとは、役職に応じて会社が通勤用のクルマを貸与する制度。そこでは、アンダーステイテッド(控えめ)な存在感が重視されると聞いたことがある。
走りは「アンダーステイテッド」ではない!
今回、ドライブしたのは、eHybrid Elegance。110kWの最高出力と250Nmの最大トルクをもつ1497cc4気筒ガソリンエンジンに、25.7kWhのバッテリーで駆動される、85kWと330Nmのモーターが組み合わされたプラグインハイブリッド車だ。
高速道路と箱根の山岳路をドライブした印象は、「パワフルな加速性」と「ダイレクトな操縦性」、それに「快適な乗り心地」がバランスされている、というもので、先代とはまったく違うクルマになっていて驚いた。
アンダーステイテッドなんてとんでもない。性能ぶりは際立っている。私がドライブしたときは、ほとんどガソリンエンジンを使わず、バッテリー走行に終始した。

これにも感心したが、エンジンの感覚も知りたくて「ブースト機能」を、あえて高速道路で使ってみた。
アクセルペダルを強く踏み込むと、より強い加速のためにエンジンが始動。強力な加速力に驚きつつ、エンジンのフィールはどうかと確認すると、かなり静かなのが、まず印象に残った。
エンジン回転計を見て、「回っているな」とわかる程度なのだ。ただし、トルク感がより厚くなっているのは事実。パサートeHybridの加速性は、日本の路上ではトゥーマッチといえるほどのものだ。
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