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セダン廃止で新型「パサート」はどうなったのか? 出来は上々!コスパ高いのは最上級グレードか

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たとえば、2005年の「B6」では、3.6リッターV6というパワフルなモデルがあったし、大きめのマイナーチェンジを受けた「B7」は、一転するかのように高効率の1.4リッターターボを搭載して話題を集めたものだ。

2015年の「B8」は、スタイリングがうんと機能主義的になった。この頃、フォルクスワーゲングループのデザインディレクターを務めていたのは、ワルター・デ・シルヴァ。それが意外だった。

スペイン・セアト在籍時代に「サルサ(2000年)」という、全体が卵のような丸みを帯びた斬新なスタイリングを手掛けて注目されたのが、デ・シルヴァだ。

2015年にデビューしたB8型「パサート」のセダン(写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

そのあと、デ・シルヴァの指揮によって、フォルクスワーゲンのデザイナーが作り上げたのが、現代のボルボ「240シリーズ」ともいうべき、四角く、色気もないパサートだった。でも、実際はそれがパサートに期待されていたものだったのだろう、実によく売れた。

B8パサート・ヴァリアントの荷室容量は、650リッターと広大。ステーションワゴンなんだから、「リアクォーターピラーを寝かさず機能に徹してほしい」というユーザーに、おおいに歓迎された。

セダンはセダンで大きなトランクを持ち、後席スペースも広く、こちらも欧州的な機能主義の権化のようで、好感がもてるモデルだった。

用途をまとめるとワゴンになる

「B9」となった今作でセダンを捨てた理由として、「選択と集中」をフォルクスワーゲンは挙げている。

メルセデス・ベンツは「C/E/S/CLA/CLS」クラス、BMWは「2/3/4/5/7/8」シリーズと、セダン車型のモデルを今も多く揃えているが、フォルクスワーゲンとしては、「セダンは姉妹ブランドのアウディに任せよう」ということだろうか。

専用デザインのスタイリングを持つ新型「パサート R-Line」(写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

パサート・セダンの廃止を決めたのは、おそらく2020年頃であろうが、その時点で工場の生産ラインの整理なども、取締役の念頭にあったはずだと推測する。

ステーションワゴンに1本化したのは、2つの用途をひとつにまとめるには、この車型がよかったのだと、パサート導入時のプレスリリースで説明している。

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【アンダーステイテッド(控えめ)な存在感】

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