サイバーセキュリティを重視した米国の新国防戦略指針、立ち遅れる日本の対応


日本のサイバーセキュリティへの関心の低さ

昨年、日本でも三菱重工業やIHIなどがサイバー攻撃を受けた。日本が持つ高度な潜水艦技術を狙ったものとも聞くが、日本の安全保障にとっては看過できない問題である。

この事件をきっかけに、日本の政府関係者や米国の研究者と議論をしたが、「日本のサイバーセキュリティは大きく遅れている」と痛感した。実際、政府関係者と打ち合わせる中で「国会のサーバーが危ないのではないか」との話が出たが、その翌週には、実際に衆議院、参議院のサーバーが海外からサイバー攻撃される事件が起こった。

国会のサーバーが攻撃されたにもかかわらず、当局やメディアの反応はあまり敏感ではなかった。日本人は、安全保障の概念、それも新しいサイバーセキュリティの分野については、まだまだ関心が高くないのかもしれない。国会議員も自分のメールが海外で読まれていることにあまり危機感がないようであった。

しかしながら、政府の中でもこうした問題に見識ある人たちがおり、対応が進められている。たとえば、12年度予算でサイバーセキュリティ関係の代表的な予算は以下のようなものがある。

12年度予算におけるサイバーセキュリティ関係予算(合計84.25億円)
・政府機関・情報セキュリティ横断監視・即応調整チームの運用(内閣官房)…6.49億円
・サイバーテロ対策用資機材の増強等(警察庁)…1.32億円
・サイバー防護分析装置の運用開始(防衛省)…2.08億円 
・e−ネットキャラバンの実施(総務省)…0.03億円
・情報システム全体の「ニュー・ディペンダビリティ」の確保(文部科学省)…3.18億円
など

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