なぜロマンスカーに憧れる?小田急運転士に聞く 駅員→通勤車両の車掌→運転士→…長い道のり

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2024年10月のある日。喜多見電車基地(東京都世田谷区)に複数の運転士の姿があった。彼らは一人前の運転士として通勤車両に乗務しているが、社内の規定でロマンスカーを運転することはできない。この日実施したのは実車訓練。「新人ロマンスカー担当者養成」のうちの学科教習の一環だ。

ロマンスカーは車種によって機器の配置や故障時の対応の方法が異なる。運転士として乗務しているときに異常が発生しても自分で対処できるよう、すべての車種について頭に叩き込んでおく必要がある。

ロマンスカー運転士 訓練 床下機器
MSEのさまざまな床下機器についても頭に入れておく必要がある(記者撮影)
【写真】喜多見電車基地でのロマンスカー・MSEを使った「実車訓練」の様子。車種によって機器の配置や故障時の対応の方法が異なるため覚える項目は多い

まず駅員、次に通勤車両の乗務員

そもそもロマンスカーの運転士になるための道のりは長い。まず入社後は駅員として勤務しながら鉄道の業務の基本を学ぶ。そして車掌登用試験に合格し、車掌見習い、車掌科単独作業確認試験などを経て通勤車両に車掌として乗務する。

その次は運転士の登用試験を受ける。それを通過すると、見習いとして「指導操縦者」と呼ばれる運転士からマンツーマンで教えてもらい、現場で運転の腕を磨く。そのうえで電車運転科技能試験を受け、運転士として独り立ち(小田急では「単独」と呼ぶ)する。

通勤車両の運転士として単独できるようになってから3年が経過すると、「新人ロマンスカー担当者養成」を受ける。そこでの学科教習や試験に合格すると実技訓練。最終的に技能確認試験にパスし、接客を学ぶロマンスカークルー研修を経て、次年度の4月1日から晴れて乗務することができる。

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