診療休止の影響はすでに表れている。同院から車で20分ほどの同市内にある武蔵野赤十字病院では、9月から11月の救急患者が前年同期比で36%増えた。とくに吉祥寺南病院が多く受け入れていた脳神経外科と整形外科では、5割も増加。年度途中のため医師を増員できず、前年度と同じ人員体制で外科をカバーしているという。

病院の入り口には診療休止を知らせる貼り紙(写真:編集部撮影)
周辺病院への影響について、武蔵野赤十字病院の黒崎雅之院長は「一度閉鎖された病院が再開し軌道に乗るには、数年かかる。その間は残った病院で持ちこたえるしかないが、そのシワ寄せで大きな負担を強いられている」と話す。
救急医療の逼迫以上に武蔵野市が懸念しているのが、地震など災害への対応だ。吉祥寺南病院は、災害時に医療救護所を設置する災害拠点連携病院になっていた。その閉鎖によって、拠点病院は市内で2病院のみになった。
直接の原因は建物の老朽化
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