中国製EVへの逆風が吹くのはEU市場だけではない。東南アジア市場で最大の輸出先だったタイでは、同国の景気減速や自動車ローンの審査厳格化が響き、(エンジン車を含む)自動車市場全体が不振に陥っている。
自動車専門メディアのオートライフ・タイランドのデータによれば、タイ市場での2024年のEV販売台数は7万137台と、前年比8.1%減少した。
タイ市場ではBYD(比亜迪)、上汽MG、哪吒汽車(ネタ)の3ブランドで2024年のEV販売台数の6割を占めるなど、中国勢の強さが目立つ。しかし販売台数に目を転じると、BYDは前年比11.9%減、上汽MGは同28.9%減、哪吒汽車は同37.6%減といずれもマイナス成長だった。
PHVの輸出拡大に期待
中国の国内市場ではEVの販売の伸びが鈍化する一方、PHVの人気が急上昇している。海外市場でも中国に続き、同様の傾向が現れつつある。
「海外では充電インフラの整備が(中国よりも)遅れており、EV普及のボトルネックになっている。その点、PHVはEVよりも価格が安く、長距離ドライブでも電池切れの心配がないため、成長余地が大きい」
中国汽車工業協会の陳士華・副秘書長は記者会見でそう述べ、今後のPHVの輸出拡大に期待を示した。同協会は2025年の中国の自動車輸出がPHVの伸びに牽引され、2024年比5.8%増の620万台に達すると予想している。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は1月13日
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