閉ざされた中朝国境が2月についにオープンか 「北朝鮮を引き寄せたい」中国側の思惑とは

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チャーター便なのに定期運行していたので「定期便」扱いだったという「不思議な」上海便が再開したことも、元山への視察が関係しているのではないか、と前出の関係筋は話す。

搭乗客の多くは、公務などの中国人出張者になるだろう。そこへ元山への視察者が利用することで「採算は取れる」と判断したのかもしれない。上海便は2025年2月以降、定期運行が再開される可能性があるという。

北東部・羅先にも渡航可能に?

北朝鮮東北部の羅先(ラソン)にも動きがある。2025年1月16日、「羅先への外国人向け観光が再開される」と、イギリス資本で中国を拠点にしていると思われる旅行会社・ヤングパイオニアツアーズが発表した。同時期に、同じくイギリス系の高麗ツアーズ(北京)も発表している。

羅先は特別市なので入国基準やルールが平壌より緩い。平壌への入国が拒否された日本人が、羅先では許可されて入国できたケースも少なくない。そのため、羅先が平壌に先んじて観光再開はありうると考えていた。

しかし、羅先に隣接する中国吉林省の複数の国際旅行社(第1種旅行業の旅行業者に相当)へ確認すると、

「2025年2月から中国人の羅先入国は緩和されるが、観光目的での入国はできない。羅先国際旅行社(日本人を含む外国人観光客を担当する会社)からは、『2月からこれまで平壌がすべて行っていた入出国の判断が羅先特別市へ移管され、今後は羅先が判断することになる』との連絡があった」

という。

これは、平壌を通さずに羅先が独自に入出国許可を出すとの意味だが、全権移譲とはどういうことなのか。

北朝鮮は、外国人の入国を中央政府が強力にコントロールすることで体制を維持している。入国判断の決定権は、体制維持の肝と言っても過言ではない。それをすべてを移譲するのは考えづらいが、緩和や部分的な移譲ならありうるだろう。

とはいえ、「2月から羅先観光が再開される」という話は、実は中国の旅行業界からはさっぱり聞こえてこない。

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