閉ざされた中朝国境が2月についにオープンか 「北朝鮮を引き寄せたい」中国側の思惑とは
「羅先観光が再開される」と発信したヤングパイオニアツアーズも高麗ツアーズも中国では無資格の旅行サービス会社だ。それゆえ中朝合意に至っていない、あるいは基づいていないところから北朝鮮側の発言なりを一方通行で流すことがこれまでにもあった。
羅先は中国とロシア、とりわけ中国から強い影響を受けている。事実上、中国の借款状態となっている施設も少なくない。そのため、平壌よりも先に観光入国を再開させることは考えられると触れたが、その場合でも「中国人が先になると思う」と吉林省の旅行業者は話す。
今の中国の社会風潮からすれば、「外国人が優先」などと少しでも国民から思われると、不満を鬱積させている国民の怒りが中国政府へ向きかねない。中国当局は情報の出し方にも神経を尖らせているのだ。
3月からの往来完全正常化の話も
一方で、観光を含めた往来正常化の情報も流れてきた。
「北朝鮮観光の再開、往来正常化への道筋が見えてきた!」。瀋陽のある旅行業者は、今度こそ中朝国境が開放され往来が正常化する可能性が高まってきたと期待感を示す。
2024年12月下旬、2025年3月1日から北朝鮮観光が再開されるとの通知画像が、中国SNSへ投稿されて拡散した。
この通知は、訪朝する日本人も担当する北朝鮮の朝鮮国際旅行社が2024年10月16日付けで出したものとされた。しかし、複数の旅行業者へ確認しても知らず、そのため信憑性は低く、フェイク画像の可能性もある。
しかし、前述の瀋陽の旅行業者は「早ければ2025年3月の往来正常化もありうるし、遅くても5月のメーデー連休(ゴールデンウィークに相当)前までには開放されるのではないか」と打ち明ける。「メーデー連休前に往来正常化」という話は、瀋陽にある北朝鮮領事館関係者が語った話だという。
2025年3月上旬に往来再開が発表されれば、現在「ロシア人が大量にエントリーしている」とロシアメディアが報じている、同年4月中旬開催予定の「平壌国際マラソン大会」へのエントリーにも間に合うかもしれない。
ロシアは国策的に過去最多人数、オリンピック級の選手も平壌マラソンへ送り込むのではとの情報も飛び交っている。
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