相場が順調でもなぜか儲けが出ない投資家の特徴 勝率は高くてもトータルで負けていることも
特徴③大きなリスクを取りすぎる
多岐川靖さん(仮名、30代)は2022年に投資家デビューしました。最初に買ったのは、仕事の関係でよく知っていたコスモスイニシア(8844)。2022年5月に420円で800株買いました。買った直後から株価は上昇し、2023年12月に920円で売りました。
この戦果に自信を深めた多岐川さんは、投資額を増やし、投資対象を商船三井(9104)など大型割安株にも広げました。この投資も順調で、さらに昨年5月からは日経平均レバレッジ・インデックス連動投信(1570)の信用取引を始めました。
信用取引も最初は利益が出ました。ところが、2024年8月5日の日経平均の暴落で、買い建てていた日経レバレッジに追証が発生し、手じまいを余儀なくされました。多岐川さんは、それまで2年間で積み上げてきた利益をこの信用取引ですべて失ってしまいました。
大きく投資して一発退場の憂き目に
多くの投資初心者が、デビューするに当たり「せっかく株をやるなら大儲けしたい」と考えます。そして、初期段階で勝つと、「俺って株の才能があるかも」と勘違いし、多岐川さんのように投資額を増やしたり信用取引を始めたりします。
しかし、仮に才能があったとしても勝ったり負けたりというのが株式投資の世界。リスクを取りすぎると、思わぬ相場の展開で大きな損失を被り、一発退場になってしまいます。
短期の株価はランダムウォーク(千鳥足)で不規則に変動するので、短期売買で勝つのは熟練したプロでも困難です。しかし、企業は利益を増やして株価を上げようと懸命に努力するので、多くの企業の株価が長期的には上昇します。
短期的に大きな利益を狙ってリスクを取るよりも、大きな損失で一発退場になることなく「相場に居続ける」ことを目指す方が、結果として大きな資産の形成につながります。
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