フジ「相次ぐCM出稿停止」よりキツい最悪の展開 不信感が募れば、視聴者もスポンサーも去るだけだ
「相手の立場になって考える」視点
匿名であるのをいいことに、「悪は徹底的にたたきのめす」と、まるでゲーム感覚で攻撃して、スカッとした気持ちになる。
そこに欠けているのは、「相手の立場になって考える」視点だ。そのためには、意見は人それぞれで、多様性があると知る必要がある。価値観のバリエーションを保つには、会見のような情報提供もまた、あらゆる人に門戸を開く必要があるのだ。
「オールドメディア」と冷やかされるマスメディアと、SNSなどのネットメディア、最大の違いは「双方向性」にある。しかしながら、取材者を絞るコミュニケーション姿勢は、「一方通行」に感じさせる。
ネット空間においては、あらゆる発言が等価に扱われ、投稿者の社会的ステータスよりも、その内容が重んじられる。そのぶん真偽は慎重に見極める必要があるのだが、誰もが発信者になれるメリットは大きい。
だからこそ、このご時世で会見を制限することは、「オールドメディア意識の回帰」や「既得権者の復権」を感じさせかねない。相手には開かれた姿勢を求めながら、みずからは閉鎖的な姿勢を示す。
そうした態度を取ることが、「だからマスゴミは」と、よりネガティブイメージを強化する悪手につながることを忘れてはならないのだ。
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