まず基本的に、株式会社だから、持ち主は株主だ。さらにフジは上場しているから、さまざまな株主を自ら招いている。
そして、使命は株主価値の最大化である。「物言う株主」が日本ではどこか「輩(ヤカラ)」「ハゲタカ」のようなイメージがあるが、企業の経営方針にたいして意見を述べるのは当然だ。
また一般的に投資ファンドには、さらにその背後に多くの出資者が存在する。ファンドはファンドで、彼らにたいして損失を与えないようにせねばならない。
ファンドが特定株式会社の株主だったとして、その投資先が市場や視聴者から疑念をもたれているとすれば、潔白を証明してほしいと依頼するのはきわめて普通のことだろう。
ファンドとしては、投資先の企業価値を最大化することが当たり前であり、その責務を果たさなければ、自分たちに出資してくれる投資家へ十分なリターンを還元できなくなる。
これまた一般論では、投資先の問題を看過して企業価値を損なうリスクを放置すれば、ファンド自身が出資者から責任を問われることになりかねない。
とくにメディア企業は、スポンサーがいて制作会社がいてタレントがいて、視聴者がいる。信頼の維持が重要で、それが成長の礎になるのは間違いがない。いちおう調査をやったといっても、株主から不十分に見えるのであれば、それは株主の意見として聞くべきだろう。
株主からの要望を企業経営改善のきっかけに
なお私が「清々しい」と書いたのは、これがフジの経営改善につながる可能性があるからだ。フジがダルトンからの要求に答える形で、できるだけの明確な根拠や証拠を用いて、フジとして無関係であると説明できればいい。疑念をただ否定すればよい話だ。
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