「お酒は組織の接着剤、そんな文化は衰退している」 グローバルダイニング社長に聞く飲食業の商機
――インバウンドの追い風もあり、売上高は成長を続けています。
2023年も2024年も、インバウンドの影響は長く続いてきた。全体の売り上げはプラスだが、厳しい店舗もあるし、自分たちの能力や品質が上がったことがすべてではないと思っている。
中期的にインバウンドがどれだけ来てくれるか、影響がいつまで続くかは予測できないが、一定の期待はできるだろう。
一方で、2010年代からコツコツ取り組んできた、品質の向上や人材育成の効果もあり、インバウンドが少ない地域でも売り上げを伸ばせている。
接着剤としてのお酒の文化は衰退?
――コロナ禍を経て、飲酒スタイルも大きく変わりました。
「一杯目はビール」の需要はまだまだある。当社では酒類の売り上げの3分の1がいまだにビールだ。人気の背景には丁寧なメンテナンスなど、飲食店の努力もある。日本のビールが世界でいちばんおいしいのではないか。
飲食店はエンタメビジネスで、人を呼び寄せて楽しんでもらうことが大事。ビールの品質にこだわるのもその一つだ。
ただし、お酒の役割は以前とは変わってきている。昔は仕事が終わったら毎晩のように飲みに行けるような値段で居酒屋が営業していたし、お酒は「組織の接着剤」だった。
コロナ禍でリモートワークが増えた影響もあった。人との出会いが減り、お酒を飲む機会も減っている。健康志向が高まったこともあるだろう。接着剤としてのお酒の文化は衰退している。
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