ギングリッチ復活は米有権者の「憤り」の表れ【米大統領選・専門家の見方】

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資金力・組織力ではロムニー氏がいぜんとしてリード。フロリダ州で決着がつかない場合でも、長期戦はロムニー氏に有利との見方が優勢。また、ギングリッチ氏の組織運営能力の欠如や自己過信から来る失言癖は広く指摘されており、自滅の可能性を示唆する向きは根強いところ。
 
 さらに、ギングリッチ氏の政策提案は必ずしもはっきりしておらず、過去の実績からも保守派の代弁者としての適性が問われる展開も否定できない。こうしたギングリッチ氏への疑念が、一時の勢いの鈍ったサントラム氏がいぜんとして参戦を続けている背景にある。

 ただし、ギングリッチ氏に勢いがあるのは事実。資金面での立ち遅れは急速に取り戻しつつあり、ニュース報道などを通じた露出(いわゆる「フリー・メディア」)も追い風になっている。

ロムニー氏の強さに対する疑問がいぜんとして払拭されない中で、やはり資質に問題が指摘されるギングリッチ氏が対抗馬として浮上してきたことで、共和党関係者からはいまだ出馬していない「第3の候補」を模索する必要性を指摘する声すら浮上している。

いうまでもなく、候補の一本化に手間取る共和党の混乱は、粛々と本選挙への準備を進めるオバマ陣営にとっては朗報といえる。
(中村 稔 =東洋経済オンライン)
photo: Gage Skidmore

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