きな子さんは、埼玉県で、大卒のサラリーマンの父親と、専門学校を出て看護師をしている母親のもとで生まれ育ちました。
教育に理解のある親のもと、中学校までピアノ、習字、スイミングスクール、スポーツクラブといろんな習い事をさせてもらっていました。
また、地元の個人経営の塾に通っていたために、公立小学校・中学校では200~300人程度の同級生の中で3位以内をキープしていました。
「テスト範囲がわかってから、直前に勉強すれば、いい点数が取れました。試験のランキングで上位にいる自分が気持ちよかったです。前日に勉強して覚えきれない友達を見て、私は頭がいいんだと勘違いしていました」
勉強ができることに大きな自信
「天才ではないけどそれなりにできる」という自信があり、小さいころから勉強ができることがアイデンティティだったきな子さん。しかし、そう信じていたために、自分より優れた人もいるという現実を認めることができなかったそうです。
「中学3年生のとき、自分より頭のいい子がいたのですが、『あの子は元から頭がいいんだ、天才なんだ』と思ってしまったのです。そこで自分の弱さと向き合えたらよかったのですが、現実逃避癖があったためにできませんでした」
高校受験でもその「現実逃避癖」のために、自分の学力からすると楽に入れる学校に入ろうと考えました。周囲は、当時の彼女の成績から考えれば、浦和第一女子高等学校などの進学校を目指すのだろうと思っていたようですが、「公立高校も受験するとなると、3月までずっと勉強しないといけないのが嫌だった」ため、塾や学校の説明会で特待合格があると教えてもらった偏差値65程度の私立高校に進学を決めました。
「公立の受験から逃げてしまったんです。だから、(高校受験では)全然勉強もしませんでした」
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