石油化学大再編を阻む壁、エチレン余剰に苦悶


 日本の石化は、天然ガスからは生成できないプロピレンとブタジエンも同時に抽出している。「今の日本の石化は、プロピレンやブタジエン系の化成品で利益を稼いでいるため、エチレン系で採算が悪くても全体の生産を落とせない」(旭化成ケミカルズの坂本社長)というのだ。

特にブタジエンは、現状ではナフサを分解する以外に製造方法がない。別の生成技術を三菱化学、旭化成、三井化学の3社がそれぞれに開発中だが、量産体制が整うのは早くて14年といわれる。それまで日本でエチレン生産の大胆な再編に踏み込むのは、難しいのかもしれない。

「今年、エチレン各社はダウンサイジングなどの能力削減に向けた動きを本格化するのではないか」(丸善石油化学の藤井社長)。大半が単独で生き残りを目指す我慢勝負に突入する。化成品の競争力次第で、各コンビナートの優勝劣敗が鮮明化するだろう。

(武政秀明 =週刊東洋経済2012年1月28日号)

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