終売決定「アウトバック」は誰が買っていたか? スバル車オーナー分析で見えた最上級の価値

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アウトバック購入者の予算は、およそ400万円といえそうだが、もちろん人によってグレードや装着オプションは異なるので、あくまで平均値である点は留意しておきたい。

なお、アウトバックの場合、本革シートやハーマンカードンサウンドシステムなどのメーカーオプションをフルに選択すると、それだけで50万円近くになる。

ゆとりある室内空間も「アウトバック」の魅力のひとつ(写真:SUBARU)
ゆとりある室内空間も「アウトバック」の魅力のひとつ(写真:SUBARU)

そのほか特徴的な点として、レイバックの「下取り額」の大きさがあげられる。そのため、「値引き前車両本体+オプション価格」ではレイバックのほうがレヴォーグより高いが、「最終支払い額」になると逆転している。

レイバックの発表は2023年10月25日で、発売からまだ日が浅い。レイバックを手に入れたいスバルファンが、高年式車から乗り換えた可能性が考えられる。

アウトバック終売でスバルはどうなるか?

ステーションワゴンベースのクロスオーバーSUVという成り立ちから見ても、購入者の支払い額データから見ても、アウトバックの後継はレイバックであるといえる。しかし、アウトバックがレガシィ派生であるのに対し、レイバックは一回り小さいレヴォーグの派生車種である。

「レヴォーグ」は国内市場に適したサイズのステーションワゴンとして登場したモデル(写真:SUBARU)
「レヴォーグ」は国内市場に適したサイズのステーションワゴンとして登場したモデル(写真:SUBARU)

この先、長くアウトバックに乗っていたオーナーが、レイバックに乗り換えていくかは未知数であろう。SUVのフォレスターに乗り換える例もあるかもしれないが、価格や車格が異なるため大きな受け皿となることは考えにくい。BEV(電気自動車)の「ソルテラ」となれば、なおさらだ。

当然、スバルはそれらすべてを承知のうえでアウトバックの国内販売を終了するわけだが、フラッグシップを失うことによるスバルブランドの総合力低下は一定数、あるはずだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

2025年には、クロストレックに追加されたストロングハイブリッドがフォレスターにも搭載されると見られるが、スバルブランドの維持・向上は簡単ではなさそうだ。

【写真】もう一度スバルオーナーの分析データを見る
三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事