大の大人がハマる、日本流ハロウィン最前線 「サード・ウェーブ」はとてつもなく大きい

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そしてやってきたサードウエーブ。2013年ごろから六本木や渋谷などの情報発信地を中心にハロウィンパレードやパーティ、イベントが増え、今では大勢でワイワイと盛り上がる「場」「きっかけ」として全国で楽しまれている。

ハロウィンの楽しみ方が、思いや体験を共有しやすい「参加型」になったことは、一般化するうえでなによりも大きい。ここが第1次、第2次ブームとの大きな違いだ。

パークを飛び出し、現実世界に「進出」

ディズニーが牽引し、最初は「夢の国」のものとして人気を博したハロウィンは、やがてパークを飛び出して現実世界に進出した。

お菓子のパッケージにとどまっているうちは、それほどでもなかったが、「仮装」して参加することのできるパレードやイベントの増加で、ハロウィンは、「大人」も堂々と「仮装」できる「唯一の日」として認識されるようになった。そこからハロウィンは、現実世界で「非日常」を求める「大人」の「仮装イベント」へと変化したのだろう。

今回、異なる世代の3人の女性たちを取材したが、ハロウィンのとらえ方や仮装のスタンスはさまざまだった。それでも、全員が共通して持っていたのは、「ハロウィンは大人も堂々と仮装して大丈夫な日」という「大義名分」だ。

ハロウィンはクリスマスやバレンタインと比較すると、日本に輸入されてきて間もない。したがって、ハロウィンはこう楽しむべき、という「やり方」がまだまだ確立していない。大義名分さえあれば、友人と楽しもうと、家族で楽しもうと、その場で出会った知らない人と楽しもうと、自由なのだ。

自分なりに解釈できる「アレンジ可能」なあいまいさが、今の日本流のハロウィンの魅力であり、皆が盛り上がれる理由なのだろうと感じた。サードウエーブの波がどこまで高まるか、今年も注目したい。
 

伊澤 佑美 「週刊?!イザワの目」編集長

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いざわ ゆみ

2003年上智大学卒業。編集者、ライター、PRプランナーとして、企業のオウンドメディア運営やコンサルティングのほか、広報業界向けメディアへの寄稿などを手掛けている。トレンドの裏側を取材する「週刊?!イザワの目」編集長も務める。

 

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