大の大人がハマる、日本流ハロウィン最前線 「サード・ウェーブ」はとてつもなく大きい
「興味はあったけど、ハロウィンはチャラいイメージがあって、『自分なんて』って思っていたし、まして仮装するなんて恥ずかしいと思っていました。でもディズニーはいつもと違う空間で『夢の国』なので、誰がどんな派手なキャラクターの格好をしていても、全然、大丈夫」。
恵理子さんの仮装は、年を追うごとにグレードアップ。今では衣装だけでなく、カラーコンタクトやウィッグなども取り入れ、より、なりきり度と非日常感を高めている。ハロウィン以外で仮装をすることはまずないが、ハロウィン期間だったら、ディズニーランド以外のエリアでも仮装してみてもいいかなと思う気持ちが芽生え始めている。
20代、40代が「仮装」するそれぞれの理由
山下千絵さん(23歳)は、学生の頃からメークやウィッグ、タトゥーなどを使い、日常的に仮装を楽しんでいる。「仮装というよりは『変身』に近いかな。別人になりたい欲求が強いのかもしれません。おしゃれの延長線上で、アクセサリーをつけたり、髪を巻くような感覚と同じです」。
お台場に行くときは黒髪のロングヘア、遊園地には金髪のショートヘア、女子会には赤のドレスコードを決めてなど、友だち同士でテーマを決めて遊ぶのがはやっているという。だから、日常的に仮装アイテムを取り入れている千絵さんにとって、ハロウィンは「あまり特別じゃない」。「みんなの気合が100だとしたら、私は60くらい。ちょっといつもより派手にしよう」くらいの気持ちだ。
「ハロウィンは、たくさんの人が仮装するので、ある種の心理的ハードルは超えやすく、誰でも気軽に仮装できると思います。でも年に1回しかないので、機会を逃す人もいるはず。だから、仮装というか、変身願望を満たせる機会はハロウィンだけじゃなく、たくさんあればいいと思っています」
松石由紀子さん(43歳)は、昨年初めてハロウィンで仮装した。小学校低学年のときから理由はわからないが「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)」が大好きだったのでハロウィンの存在は知っていたが、これまで仮装したことはなかった。
機会は偶然訪れた。毎月、月末の最終金曜日に会社の仲間で飲み会を開いていた由紀子さんだが、昨年の10月はちょうどその日がハロウィンだった。そこで、「何もしないわけにはいかない」と、急に仮装を思い立った。ハロウィンに合わせてなにかやろうと思ったわけでなく、「たまたま」ハロウィンがあったので「乗っかろう」と思ったほうが感覚としては近い。
女装サロンで、叶姉妹のようなメークや衣装で着飾り、撮影した経験もある。だから「変身願望はもともとゼロじゃない」。でも、理由もないのに、みんなの前でいきなり変身したら変だと思われる。ところが「ハロウィンなら仮装する『理由』があるので、『堂々と』できるし、『大っぴら』にしていい」。「だって金曜日だもん、だってハロウィンだもん」と「正々堂々と言い訳」できるところが由紀子さんの背中を押した。
「ハロウィンの意味は正しくはわからないけれど、変身願望を刺激する点というか、『変装して楽しいよね』というところがフォーカスされて、今、日本で『お祭り』になっている気がします」
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