北九州・暴力団本部跡地に福祉施設が建つ意義 社会から排除される人を出さない「まち」作り
2026年中の開設を目指す「希望のまち」は3階建てで、2階と3階には生活困窮者のための個室型の救護施設が設けられる。1階には障害のある子どものための放課後等デイサービスのスペースや、子どもや家族を支援する相談室などが置かれる。同時に、デートに使えるようなおしゃれなレストランや、コンサートや葬儀などに使われる大ホールができる予定だ。地域の誰もが気軽に出入りできる「まち」を作るのだという。
抱樸は、1988年から36年間ホームレス支援を行ってきた。炊き出しや深夜のパトロール、住宅支援、就労支援、互助会を組織して葬儀をするなど、支援を受ける側のニーズや時代の変化に沿って、活動の幅を広げてきた。この36年間で約3750人が路上生活から離れたという。現在、抱樸は子どもやその家族の支援も行っている。支援を始めたのは、子どもが将来ホームレスや困窮、孤立状態に陥らないようにするためには、家族を丸ごと支援していくことが必要との考えによる。
好立地なのに開発が進まない理由
筆者は希望のまちの予定地を訪ねた。そこにはすでに「SUBACO」(すばこ)と呼ばれるプレハブが建ち、北九州市在住の画家、黒田征太郎さんが子どもたちと描いたカラフルな壁画が描かれている。毎週火曜日には地域の人が集うカフェが開かれ、時には地域の人を講師として学ぶという企画が始まっている。
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