人口減でも「マンション家賃10%上昇」のなぜ 首都圏だけでなく大阪市、福岡市などで家賃高騰

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この賃料変動率は賃貸住宅の稼働率を反映して決まる。稼働率は需給バランスの結果である。J-REITの物件の品質と運用能力は市場全体よりも優れているので、稼働率はアドバンスで96.5%、コンフォリアで96.8%となっている。

賃貸市場全般では、日本賃貸住宅管理協会によると、2012年度の首都圏の稼働率は90.3%、関西圏が92.8%だったが、2022年度の稼働率は首都圏が95.8%、関西圏が94.9%となっており、コロナ後の市場回復を考慮すると今年度は2022年度以上となっていることは間違いない。

この稼働率水準では家賃は上がるが、稼働率が90%程度では賃料変動率はマイナスであった。賃料上昇と下落の分岐点は稼働率で93%付近である。

人口減少しても日本中で世帯数は増える

「人口減少していて、空き家が多い国で新築の住宅着工が多すぎる」という論調はよく聞くが、素人考えで、私はまったく逆だと分析している。まず、人口が減少しようが、家族形態の変化や単身者の増加により、日本中で世帯数は増えているし、当面の間増え続ける可能性は高い。住宅ストック数が供給ならば、需要は人口ではなく、世帯数なのである。

特に都市部の世帯数の伸びは大きく、国立社会保障・人口問題研究所(以降、社人研)の2015~2020年の世帯数増加率予測の伸び率は全国で1.45%予測に対して、実績は4.45%で306%(約3倍)違うし、東京都も同様に3.46%予測に対して、実績は7.86%で227%(約2.3倍)も違っている。

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