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三菱自・国内営業本部長「台数伸ばし、店舗も拡大」 高まる商品力で復活に自信、都心部へ出店意欲

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国内の新車販売はピークから30年で300万台減少。この先約10年でさらに100万台減るとの業界予測も出る。メーカー各社、販売会社はどのように対応するのか。

1967年生まれ。1991年慶応義塾大学理工学部機械工学科卒、三菱自動車工業入社。乗用車のエンジン開発設計などを経験。国内営業本部長補佐兼同本部国内営業部長や西日本三菱社長などを経て2024年3月から現職(撮影:今祥雄)

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三菱自動車工業は2024年3月期に国内販売台数が11万台と5年ぶりに10万台を超えた。ここ数年、加藤隆雄社長の旗振りで取り組んできた「三菱自動車らしい」車づくりの成果が現れ出した。もっとも国内販売は1995年には80万台を記録したこともある。度重なる不正で大きく落ち込んだ状態であることに変わりない。さらに縮小する国内市場でどのように戦うか。特集の6回目は三菱自の五十嵐京矢・国内営業本部長に反転攻勢策を聞いた。

「らしさ」を車づくりだけでなく販売でも

――加藤社長が訴える「三菱自動車らしさ」とは何でしょうか。

何か新しいものを定義したわけではない。そもそも「らしさ」は社員1人1人で違う。とはいえ、ラリーやオフロードからつながる「力強さ」や「堅牢さ」は代表的なものだと思う。

ピックアップトラックの「トライトン」。「パジェロ」で人気を集めた往年の三菱自のイメージを受け継いでいる(撮影:鈴木紳平)

現在、社内でも開発や販売、企画など現場の人間が議論をしている。個人的には三菱自らしい車と言えば、1トンピックアップトラックの「トライトン」だと思っている。オフロードでも、仕事でも使えるタフさがある。

一方、世界初の量産EV(電気自動車)である「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の流れから、電動車の血統を受け継ぐPHV(プラグインハイブリッド車)「アウトランダーPHEV」が三菱自らしいという声もある。アウトドアを楽しむのであれば「デリカD:5」という世界観もある。これらは顧客1人1人が持っているもので、すべて「三菱自らしさ」になる。

また、「らしさ」はクルマづくりだけでなく、高付加価値な販売にもつながる。例えば、軽自動車でも車種によっては250万円程度で販売しており、軽だから儲からないというわけではない。他社と同じ車をつくって値引き競争で受注を取るのではなく、競合環境が厳しくないステージでしっかりいい車をつくり、高い価格で売っていく。ものづくりでも販売でもこだわる意識を持ちたい。

――国内販売事業の現状をどのように評価していますか。

2024年3月期は11万台だったが、今後さらに伸ばしていきたい。昨年5月に投入した軽の「デリカミニ」は、ファミリー層だけでなくこれまでアプローチできていなかった若年層など新規顧客を開拓できている。正規販売店だけでなく、地方のサブディーラーや業販店からも引き合いが多く、発売から1年以上経っても受注は好調で前年実績を上回っている。

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