40代から考える「人生設計と住まい」ロードマップ 建築家が「賃貸でもいい」と考える"本当の理由"

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

中古住宅だって手の届く価格帯で豊富に存在しているから、リタイアメント前後に購入するのも手だ。

小さくてちょっとオシャレな中古住宅やビンテージマンションを手に入れ、家具や食器などにこだわってみる。趣味を極めてみる。そんなふうに自分のセンスで生きるのがカッコいいと思う。

まだ若い方であれば、早めに中古マンションを購入し、ちょっと住んだあとに賃貸に出すという方法もある。不動産投資に興味があり、長期的に考えて動くことができるなら、将来家を購入するときの足しになるし、住む家がない場合のセーフティネットにもなろう。

家も服のように、人生のTPOに応じて何度も着替えようではないか。

「家は小さくていい」と考える理由

日本人はみな同じような姿カタチで髪形、生き方までもが似たり寄ったりだと評されてきた。だが、この一体感があったからこそ、みなで心通わせ一緒に田んぼや漁場を守り育んできた。尊い先人たちの足跡である。

時代は過ぎ、インターネットが普及しグローバル化の波がやってきた。

さまざまな国からの訪問者、就労者、移住者が増え、今では彼ら彼女らの文化や発信する言葉、振る舞い、バックボーンを徐々に受け入れることにも慣れてきた。

ときどきハッと気付かされることもある。彼らの着眼点や観念の角度だ。

信仰であったり、戦争観をきっかけに、テレビで観ていた正義のヒーローが絶対ではなく、世の中は立ち位置によって変わるのだと。良い悪いではなく、現実を素直に受け止めて真正面から向き合い、そして分かち合うことが大切だと。

次の目的地に向かって切符を手に入れたら一安心とばかりに、人生のレールの上を猪突猛進するのではなく、自分の足で、自分で決めた人生の目的地に向かう。

多少の失敗はするかもしれないけれど、「なあに、今までの経験を生かし上手に乗り越えられるだろう」と進めば、自分だけの青い空と爽快な人生が眺められるに違いない。

そうと確信したなら話は早い。身軽なほうがフットワークも軽いから荷物も身に着ける物も必要最小限でいい。それらを包み込む家も小さくていいだろう。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事