「エースマンには当然、新しいイメージが必要でした。機能主義的なカントリーマンとスポーティなクーパーが両極で、その間に入るモデルとして扱いやすいサイズをセリングポイントにしました」
ミニで製品開発を統括するプロダクトマネージメントのジャッキ・フランソワ氏は、会場でコンセプトについて説明する。
「ただし、ミニがプロダクトの核に据えてきた“ゴーカートフィーリング”は継続して盛り込んでいます。ミニのイメージを牽引してほしいという思いをこめて、“エース”マンと名付けているだけに、ドライビングフィールが重要なのです」
フランス人のフランソワ氏は、「おもしろいエピソードがあります」と言葉を続ける。
クルマに興味のない人の賛辞
「私は、ミニに来る前はBMWでプロダクトマネージメントをやっていて、トヨタ自動車のスープラも担当しました。私が手がけているクルマを一般の人が、どう評価してくれるか。その役目を最前線で果たしているのは、私の妻なのです」
今回の新世代ミニでも同様。フランソワ氏はかつて、ミニ・クーパーで帰宅した際、スイス人の妻が「乗ってみたい」と言ったそう。
「妻はクルマにほとんど興味を持っていません。でも、クーパーをひとりで運転して、帰宅すると“クールなクルマね”と言いました。エンスージアスト(クルマ愛好家)でなくても、特別なものがあると感じられ、運転が楽しめる。妻の感想に喜んだものです」
新しい世代のミニは、これまでミニに乗っていなかった人でも魅力を感じられるクルマにしたい。エースマンの開発チームは、より強く考えるようになったという。
「もっとも大事なことは、ミニを知らない人に乗ってもらうことです。運転すれば、ほかのクルマとの違いを感じてもらえるはずですから」
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