好きなところはもうひとつ。インテリアのデザインだ。ミニのデザインを統括してきたオリバー・ハイルマー氏が「フレッシュな感覚を演出したかった」と語ったとおり、ほかに並ぶプロダクトのないユニークなデザインになっている。
ステアリングホイールの向こうからメーターがなくなり、すべての表示がセンターの大きな丸いディスプレイに集約されたのは、カントリーマンなどと同じ。以前、記事にしたように「MINI・オペレーティングシステム9」が採用されている。
ガジェット的な楽しさも魅力
私がとりわけ感心したのは、ダッシュボードとドアの内張りの質感で、これはうれしい驚きだった。リサイクルしたポリエステル素材を粗めに編んだような質感で、色が違うものを2層に重ねている。触った感覚もいい。加えて、ドライブモードに応じて色が変わる照明が組み合わされていて、車内にいるだけで楽しいのだ。
実際、クルマが走っていなくても、退屈することはない。音楽を聴くときには「DJデッキスクリーン」といって、円形モニターいっぱいにビニール盤が回っているような表示も選べる。
しかも、そのときビニール盤のアニメーションに指をあてて上下に動かすと、DJがコントローラーでスクラッチするような音が出るからおもしろい。これを上述のようなインテリアにいながらやっていると、時間がたつのを忘れる。
ガジェットと言ってしまえばそれまでだけれど、若い世代にもアピールしそうな仕掛けだ。デザイン、乗り味、そしてエンタテインメントと、凝りかたが徹底している。コンパクトなボディも、見方によれば、こういう特徴と合っている。「都市型のクルマ」というコンセプトを昇華させていったようなエースマン。興味深いモデルになった。
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