競合とは一線を画したキャラクター。それをずっと大切にしてきたミニのクルマづくりは、たしかに、エースマンでも健在だと感じられた。
今回、日本で発売されたエースマンは2モデル。どちらもBEVで、「エースマンSE」は54.2kWhのバッテリーを搭載し、最高出力160kW、最大トルク330Nmを発揮。WLTCモードで414kmの一充電走行距離を持つ。
もうひとつは「エースマンE」で、バッテリー容量は42.5kWh。最高出力は135kW、最大トルクは290Nmで、一充電走行距離は327kmだ。
私がコペンハーゲンで乗ったのは、エースマンSEだ。試乗会場にはブルーのクルマと、赤とオレンジの中間のようなバーミリオンのクルマが用意されていた。どちらの色も明るい雰囲気が強くて、「街中を軽快に走りたい人向け」というメーカーの趣旨によく合っていると感じられた。
電動車に慣れたBMWならではの味付け
2014年にピュアEVの「i3」とスポーティクーペ「i8」を発売して以来、連綿と電動車の技術を磨いてきたBMWならでは、というべきだろうか。発進直後のトルク感はあえて抑えめで、なめらかに速度を上げていく加速の感覚がとてもよい。
エースマンのホイールベースは、4080mmの全長に対して2605mmと長め。それとともに、サスペンションシステムはうまく設定され、市街地でも高速でも乗り心地は、想像していた以上に快適だった。
カントリーマンでも感心したが、エースマンも当初、抱いていた若々しいイメージとは裏腹に、しっとりした大人っぽさがある。
以前のミニは、ハンドルを動かすと間髪入れずに車体が反応。それをゴーカートフィーリングと呼んでいたが、昨今はカーブで車体もそれなりに沈みこむし、“味”が少しソフト方向に変わってきている。エースマンも同様で、私はとても気に入った。
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