中国新興EV「零跑汽車」、海外進出を急加速の野望 資本提携先のステランティスの拠点を活用

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朱董事長に言わせれば、ステランティスとの協業は(中国の新興企業が)海外市場への進出を最短の時間かつ最少の投資で実現できる新たなビジネスモデルだ。

「われわれはヨーロッパ市場で、2024年末までに300カ所の販売拠点を設けること目指している。仮に自社だけで進めたら、これほど短期間でやり遂げるのは非常に困難だ」(朱董事長)

零跑汽車はすでに2024年9月から、ヨーロッパ市場で2車種のEVの販売を開始。今後も毎年1~2車種のニューモデルをヨーロッパ市場に投入していく予定だ。

零跑汽車は海外での現地生産にステランティスの工場を活用する青写真を描く。写真はポーランドのステランティス工場の生産ライン(同社ウェブサイトより)

そんな中、気になるのが中国製EVに対する欧州連合(EU)の追加関税の影響だ。EU加盟国は10月4日に実施した投票で、欧州委員会(訳注:EUの政策執行機関)の反補助金調査に基づく追加関税の提案を可決、11月から適用することが決まった。

ポーランドの工場で試験生産

この問題への対応について、朱董事長は自身の考えを次のように述べた。

「海外市場で(中国メーカーが)自動車を大量販売したいなら、関税問題の有無にかかわらず、現地生産以外の選択肢はない」

ステランティスは2024年6月、同社のポーランドの工場で零跑汽車のEVの試験生産を行ったことを明らかにした。だが、その後の進捗に関する具体的な情報は開示していない。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「EUの追加関税を回避するには、車両の現地生産だけでは不十分だ。ヨーロッパ製の部品の調達率も一定以上に引き上げる必要があり、(追加関税の)細則の発表を待たなければならない」

零跑汽車の高級副総裁(副社長に相当)を務める曹力氏は財新記者の取材に対し、追加関税の問題は見た目よりも複雑だと説明した。

(財新記者:翟少輝、余聡)
※原文の配信は10月16日

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