世界よ、これがパナソニックの家電戦略だ 津賀社長が独IFAで語った海外攻勢の全容

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――ボッシュをはじめとした欧州メーカーにどう対抗していくのか。

真っ向勝負しても勝ち目はない。一方、テレビを中心にAV領域のブランドイメージは、特にイギリス、ドイツで高い。このブランドイメージを活かして、新しい軸で打ち出していく事ができないかと考えている。

ただ、日本と欧州では、デザインについての考え方がぜんぜん違う。日本では操作性、デザインともに軽さが求められるが、欧州ではプレミアム層にいこうとするほど、それとは真逆のことが求められる。

たとえば、欧州ではメタル系の素材が高級感があるとみなされる。そういう意味では、パナソニックは欧州テイストのものを展開できていなかった。そうした欧州テイストのデザインに、日本のやさしさ、進んだ技術を新しい特徴として加えながら、徐々に商品を訴求していくしかない。

一気に何かをしようと思うと大きなM&Aといった話になるが、マーケットがあまり動いていないので、その中でそうしたことをしてもあまり得るものはない。今は事業として補完関係のあるゴレーネと一緒に、お互いの強みをどう持ち寄るか、ということを考えている。

プレミアム感が出せる国に絞る

――世界全体で見た時のブランド戦略をどうしていくのか。

世界全体でも、プレミアムということでやっていく。パナソニックは住宅系の事業をやっているので、そこと家電を連動させられる地域ではうまくプレミアム感を出していけるのではないかと思う。

たとえば、欧州ではビルトイン家電のほうが付加価値が高いので、そこを強化していけば、プレミアム感を出していける。日本ではビルトインのマーケットは大きくないが、これから住宅事業に力を入れていく中で、ビルトインにも力を入れていく。アジアではこれから家が建っていくので、その中にビルトインを作っていく。

ただ、国によっては「ビルトインなんていらない」という国もある。キッチンはメイドしか使わない、もしくは調理は一切しないとか。なので、プレミアム感を出していける国に絞って展開していきたい。そのためには、パートナーシップも組んでいきたいと考えている。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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