NGアーティスト連発の中「トランプ愛用」の出囃子 キャンペーンソングで見るアメリカ大統領選

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なかでも多くの人にインパクトを与えたのは、ジョン・F・ケネディであろう。当時の大スター、フランク・シナトラのヒット曲『High Hopes』を「ジャック(ケネディの愛称)に投票しよう」と歌詞を替えてリリースし、有権者たちにポップな印象を植え付けることに成功した。

近年でいえば、黒人として初の大統領になったバラク・オバマは、アレサ・フランクリンやスティーヴィー・ワンダー、ウィル・アイ・アムなど黒人ミュージシャンの楽曲を意識的に使用したことでも知られる。

ヒラリー・クリントンも、ケイティ・ペリーの『Roar』(2013年)やレイチェル・プラッテンの『Fight Song』(2015年)など、比較的新しい女性ミュージシャンの楽曲を積極的に使用し、とりわけ若い世代の有権者に届くようにキャンペーンを展開した。

トランプはアーティストから「拒否」

少し前置きが長くなった。このように歴代の大統領候補が多くのキャンペーン・ソングを戦略的に用いる中、政治的信条が合わないとの理由でアーティストからの楽曲使用停止通告が出ることもめずらしくない。

トランプの場合、2016年の選挙戦から多くのアーティストが使用禁止の声明を出した。ファレル・ウィリアムス、エアロスミス、R.E.M.、アデル、ガンズ&ローゼズ、エルトン・ジョン、クイーン、プリンス、リアーナ、ニール・ヤング、シニード・オコナー、ローリング・ストーンズ、ブルース・スプリングスティーンとまさに枚挙にいとまがない。

そうした中で、今、トランプがヘビーローテーションしているのが、聖書も共同プロデュースしたカントリー歌手、リー・グリーンウッドの『God Bless The USA』だ。この曲のリリース自体は1984年だが、湾岸戦争や9.11など、アメリカ国民がペイトリオティックに、つまり愛国精神が喚起されるタイミングでチャート入りし、リバイバル・ヒットすることでも知られている。

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