"タワマン配達"の困惑ルール「まるでダンジョン」 台車や置き配の禁止にドライバーは悪戦苦闘
・マンション内で台車の使用禁止
・使用可能な場合も、静音仕様など専用の台車が条件
・エレベーターホールまでは台車を使えるが、廊下は禁止
台車はドライバーにとって、もっとも重要な仕事道具の一つだ。台車を使えば十数個の荷物を一度に運べる。しかし床や壁に傷が付くことや、景観上の理由などで台車を禁止するマンションは少なくない。
物流大手の調査によると、東京23区内に320棟以上のマンションが台車の利用を禁止しているという。各社はルールに従うしかない。ドライバーは手で荷物を運び、行き来する羽目になる。
今年8月には、アマゾンの宅配業者に対して「建物の美観を損なう恐れのある『角バッグ又は籠等』を使っての館内配達は禁止です。損傷の恐れある行為として警察に通報します」といった高級マンションの貼り紙について、SNS上で炎上する騒ぎとなった。
台車と同様、一度に複数の荷物を運べるバッグやカゴも配達員にとっては重要な道具だ。厳しい独自ルールは配達の効率を下げ、配達員を苦しめる可能性が高い。
エレベーターの待ち時間は運次第
・住民用エレベーターの使用禁止
・貨物用、業務用エレベーターの混雑
・ペット用エレベーターと貨物エレベーターが併用
・階によってエレベーターが異なり、乗り換える必要がある
エレベーターも難関ポイントだ。複数の貨物エレベーターが使える場合はよいが、宅配業者は1社だけではない。複数社が同じ時間帯に集まることもある。また、清掃などを担当する業者も貨物用エレベーターを使うため、混雑しがちなのだ。
貨物用がペット用と併用とされている場合も厳しい。ペットを普通の住民用エレベーターに乗せることができないため、ペットを連れた住民が現れる度に、配達員はエレベーターの順番を譲り続けなければならない。配達を効率よく済ませられるかは、運次第だ。
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