錯覚から探る「見る」ことの危うさ《第3回》--不可能ではない「不可能立体」
ところで、図4、図5、図6のような立体は、特別の方向から見たときだけ、ありえない立体に見える。そのような方向の範囲はとても狭い。だから、のぞき穴などを作って、そこから見てもらわなければならない。
しかし、もし、図8に示すように、これらの立体をビルのような大きさで作って遠くから眺めれば、両目で見ても、さらに少しぐらい動き回っても錯覚は起こったままであろう。
だから、大きく作って、展望台のような所から眺めて楽しむのが効果的だ。新しい観光名所にもなるだろう。だまし絵を建物で作ることは、私の次の夢のひとつである。
図8.不可能立体を建物に
すぎはら・こうきち
明治大学特任教授、工学博士。岐阜県生まれ。電子技術総合研究所、名古屋大学、東京大学などを経て現職。2010年ベスト錯覚コンテストで優勝。趣味はそば打ち。
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