錯覚から探る「見る」ことの危うさ《第3回》--不可能ではない「不可能立体」


 ところで、図4、図5、図6のような立体は、特別の方向から見たときだけ、ありえない立体に見える。そのような方向の範囲はとても狭い。だから、のぞき穴などを作って、そこから見てもらわなければならない。

しかし、もし、図8に示すように、これらの立体をビルのような大きさで作って遠くから眺めれば、両目で見ても、さらに少しぐらい動き回っても錯覚は起こったままであろう。
 
 だから、大きく作って、展望台のような所から眺めて楽しむのが効果的だ。新しい観光名所にもなるだろう。だまし絵を建物で作ることは、私の次の夢のひとつである。


図8.不可能立体を建物に


すぎはら・こうきち
明治大学特任教授、工学博士。岐阜県生まれ。電子技術総合研究所、名古屋大学、東京大学などを経て現職。2010年ベスト錯覚コンテストで優勝。趣味はそば打ち。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 御社のオタクを紹介してください
  • 今見るべきネット配信番組
  • 近所で有名な「気になる夫」の生態
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT