沖縄移住で「なじめる人」「なじめない人」決定的差 「出身はどこ?」という質問に込められた意味

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しかし、同じ出身地、同じ高校出身とわかれば、その後の仕事は非常にやりやすくなります。地元意識も高いので、単に上下関係を強要するのではなく、どうしたら自分たちの地元が豊かになるかを考えているからです。

(画像:『沖縄ルール 知っておくとビジネスも人間関係もうまくいく!』より)

年功序列、そして派閥もある

例えば、沖縄本島北部・名護市はオリオンビールの工場があることで有名です。そのオリオンビールを中心に地元の有力者、有力企業を交えた勉強会が盛んに開催されていると聞きます。沖縄本島では那覇以外の地域、離島でも、こうした勉強会が行われています。

沖縄ルール 知っておくとビジネスも人間関係もうまくいく!
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都会の那覇とは違い、本島中南部、北部、離島は沖縄県全体の経済政策の恩恵を十分に受けられていないこともあり、自分たちで自分たちの「生まれ島」(育った地域)を盛り上げたいという地元愛が強いわけです。ビジネスを考えているなら、こうした勉強会に参加させてもらえるような努力が必要になってくるでしょう。

笑い話のような話ですが、ある役場では「うちの役場には派閥があるんですよ」と。どんな派閥かと聞けば、小学校派閥だそうです。沖縄は特に地元出身者を採用する傾向が強いため、小学校派閥というワードが出てくるのです。実際にその派閥で、どんなことが起きるのか内情まではわかりませんが、それぐらい小さな社会であり、その社会のなかで「シージャ」は敬うべき存在なのです。

沖縄県民は、みんな「シージャ」を敬う。もしも、あとから先輩だったとわかった時には大変なことになります。だから県民同士でも生まれ年、出身地、出身高校は必ず聞いて確認するわけです。

ただし、内地と外国人について、この「シージャ」は別枠となっているので、ご安心ください。上下の関係を作りにくいから、年齢が上でも「シージャ」とはなりません。先輩であれば、先輩としての扱いはされるでしょうが、県民同士の敬い方とは違うので、その点も理解しておきましょう。

伊波 貢 沖縄進出コンサルタント

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いは みつぐ / Mitsugu Iha

ブルームーンパートナーズ株式会社代表取締役/CEO。1967年沖縄県生まれ。琉球大学経済学科卒業。沖縄県内初の証券アナリスト。株式会社コスモ証券経済研究所を経て、1996年4月に株式会社沖縄海邦銀行へ転職。
その後、株式会社海邦総研の設立に携わり、設立とともに取締役経営企画部長に就任。約11年間にわたり経営に関与する。2015年1月に独立し、現職。沖縄地域経済・産業に関する研究をフィールドワークとしつつ、国や県および、自治体からの各種調査(観光・地域資源・経済波及効果調査など)業務を受託。公的機関支援事業の各種委員、審査員を兼任。地域経済・産業活動のコメンテーターとして新聞、テレビ、ラジオなどにも出演。著書に県内でヒットした『おきなわデータ算歩』(沖縄タイムス社)。琉球王国を建国した尚巴志王の末裔。

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