「YouTubeのゲーム実況動画」は違法?セーフ? ゲームの映像は「映画の著作物」として扱われる

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また、この男性は、このゲーム会社以外の会社が著作権を有するアニメ動画のダイジェスト動画の配信もしていました。この男性は、2023年5月に著作権法違反の疑いで逮捕され、その後同年9月7日、懲役2年および罰金100万円、執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。

この判決では、「被告人には、各作品の著作権を侵害しようとする強い意図まではなかったにせよ、本件は、各作品の商品価値を失わせて収益低下をもたらしたり、作品の品格を落としたりするなど、各著作権者に大きな金銭的被害をもたらす可能性があった犯行といえる」「被告人に収益目的があったのも事実で、実際、多額とまではいえないものの、本件犯行により推計で22万円程度の収益を得ていることも軽視できない」と判示されています。

損害賠償請求を受けることもあり得る

刑事事件で有罪判決となったケースをご紹介しましたが、民事上はどうなのでしょうか。刑事事件とならなくても、ゲーム実況動画の配信が著作権侵害に該当すれば、ゲーム会社から損害賠償請求を受ける可能性は十分にあります。

また、損害賠償請求とまでいかなくても、ゲーム会社から直接または動画共有プラットフォーム・動画配信サービスを通じて警告や動画の削除要求がなされることもあり得ますし、動画共有プラットフォーム・動画配信サービスによる制裁(アカウント停止等)もあり得ます。

ゲーム実況動画を始めるときは、事前に、そのゲーム会社のガイドラインと、利用する動画共有プラットフォーム・動画配信サービスのガイドラインや利用規約を確認することが必須です。このような事前準備は、動画の編集等に比べて面白みに欠けるものではあるでしょうが、楽しくゲーム実況動画の配信を続けるうえでとても重要です。

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宮川 舞 銀座数寄屋通り法律事務所 弁護士

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みやがわ まい / Mai Miyagawa

東京弁護士会所属。会社間の紛争を中心に、訴訟を多く手掛ける。また、『名誉毀損の慰謝料算定』(学陽書房)の執筆陣に名を連ねるなど、名誉・信用・プライバシー・肖像・パブリシティの侵害に関わる研究や事案に造詣が深い。弁護士による誹謗中傷対策 弁護士宮川舞公式サイト

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