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マーケ支援の「ライスカレー」が描く成長への道筋 創業者でゴールドマン出身の大久保遼社長に聞く

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大久保遼(おおくぼ・りょう)/1989年4月生まれ。2012年ゴールドマン・サックス証券入社。2014年9月、Momentum株式会社設立、代表取締役就任。2016年4月、ライスカレー製作所(現ライスカレー)を設立し、2016年7月に当社代表取締役就任(撮影:梅谷秀司)
インスタグラム、TikTokなどのSNSからコミュニティデータを収集・分析してマーケティング支援を展開するライスカレーが6月19日、東証グロース市場に上場した。SNSコミュニティデータの活用により、美容・健康などウェルネス領域の悩みや課題を発見しやすいことから、自社ブランド立ち上げやメーカー向けの製品企画・開発支援を進めていくという。2016年の創業時から当社を率いている大久保遼社長に、ビジネスモデルと成長戦略を聞いた。
※本記事は「会社四季報オンライン」でも有料会員向けに配信しています

SNSが主戦場のマーケティング会社

――20代で会社を2つ立ち上げています。起業はいつ頃から考えていたのですか。

学生時代から起業家サークルに在籍していた。卒業してゴールドマン・サックス証券に入社し、投資銀行部門のM&A関連部署に配属された。通信、テクノロジー、メディア業界のベンチャー企業に関する情報と日常的に接する機会があり、学ぶことができた。

最初に立ち上げたMomentum社は、Cookie情報を使ったWeb広告の会社だった。事業を育てる過程で、一般ユーザーの居場所がWebからSNSに動いていると感じた。当時のSNSは、メーカーが広告を出す場として、それほど大きくなかった。Webに閉じた技術主体だったMomentumは売却して、新たにインスタグラムなどのSNSを主戦場とするマーケティング会社である当社を立ち上げた。

私自身は、マスマーケティングよりも、ユーザーそれぞれの個性に合わせて適切なものを届けるマーケティングに魅力を感じていることも当社創業の理由の1つだ。アンチマスではないが、マスに代わる選択肢として、SNSコミュニティを当社のテーマとして選んだ。

――ライスカレーという社名は、マスを志向しているようにも見えます。

実はライスカレーという社名も、先ほど述べたSNSコミュニティに関連がある。当社の創業メンバーに、画家のゴッホが好きな人がいる。ある日、インスタグラムで「ゴッホ」を検索すると、世田谷区にあるゴッホというカレー店がヒットした。

通常のグーグル検索で「ゴッホ」と検索すると、画家のゴッホに関する情報が上位に並ぶ。一方で、インスタグラムの一部ユーザーは「ゴッホ」というカレー店の情報を発信している。

こうした情報は、一般ユーザーの発信に主導権があるSNSならではの発見だと思う。グーグルのアルゴリズムからはなかなか発見できない。ゴッホとカレーが結びついたところで、これだけで新しいブランドを立ち上げるとはいかないが、潜在的な需要をキャッチできる可能性があるという意味で、この発見は興味深いものだと考えている。ゴッホとカレーが結びつくインサイトの象徴として、ライスカレーを社名にした。

――インスタグラムからどのように情報を収集・分析するのですか。

CCXソーシャルというSNS分析ツールを無料で配布して、そこからSNSデータを収集している。当社が開発したSNS分析ツールで、インスタグラムやTikTokなどのSNSアカウント上のコミュニティからデータを取得して可視化することができる。例えば、投稿者が最適なエンゲージメントが得られる投稿タイミングを分析したり、投稿に使用されたハッシュタグから効果のあるものを発見できる。

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