ホンダ新「フリード」人気の秘訣は日本仕様の追求 販売好調、本質を変えないことが売れる理由

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ラゲッジルームは広大だ。後輪ホイールハウスやサスペンションの張り出しがとても小さく大きな荷物が積み込みやすい。3列目シートは両側に跳ね上げるタイプだがシート形状を新設計とし全体を薄型化したので、ルームミラー越しの後方視界をほぼ妨げなくなった。

広々としたラゲージスペース。2列シート車は、荷室を上下で分割できる荷室用ユーティリティボートを装備
広々としたラゲージスペース。2列シート車は、荷室を上下で分割できる荷室用ユーティリティボードを装備(筆者撮影)

車いすやアウトドアグッズの収納に便利な「スロープ」グレードには車内引き込み用の電動ウインチが付く。この電動モーターは軽ミニバン「N-BOX」の電動スライドドア用モーターで左右に2つ装備され、たとえば車いすを車内に引き込む際に重宝する。スイッチひとつで左右のモーターが自動的に同期するのでまっすぐに引き込めるなど利便性も高かった。

先進安全装備も充実

ステアリング左側には、Honda SENSINGの操作ボタンが配置される
ステアリング左側には、Honda SENSINGの操作ボタンが配置される(筆者撮影)

先進安全技術群である「Honda SENSING」は多機能なだけでなく、精度も向上。制御のきめ細かさを示す指標であるステアリングの操舵角度では0.5度単位という徹底ぶり。とりわけ車線維持支援システム「LKAS」では、前述した電動パワーステアリングの分解能を高めたこととの相乗効果で人の操作フィールに寄り添う制御内容へと進化した。

たとえばLKAS稼働時、前方のカーブ曲率は車載の光学式カメラで読み取るわけだが、認識したカーブ曲率をトレースする制御が非常に細かい。あたかもベテランドライバーが操舵するように手前からじんわりとステアリング操舵アシストを開始するし、戻す際も遅れがない。だから結果的にいつシステムによる操舵アシストが介入し、そして弱まったのか意識することがないのでドライバーとしてもシステムに対する過信を抱きにくい。

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