ホンダ新「フリード」人気の秘訣は日本仕様の追求 販売好調、本質を変えないことが売れる理由

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新型はここが一転。サスペンションのうちバネの形状と配置を変更してタイヤがスムースに動くように設計し直した。それに応じてダンパーの減衰特性を決めるバルブに応答性に優れたブローオフバルブを採用して最適化した。加えて、電動パワーステアリングの操舵角度を認識する分解能を高めて、ドライバーの細やかなステアリング操作をしっかり認識するように改良を加えた。

新型フリードのタイヤ&ホイール
新型フリードのタイヤ&ホイール(筆者撮影)

結果、走行環境を問わず大幅に乗り心地が良くなった。また、ステアリングのフィールが良くなったことで車体の動きがゆったり上質になり、サスペンションでグッと支えるためロール量だけでなく上下動も抑えられた。よってカーブや高速道路でも終始安定。今回は筆者1人乗りの状態に加えて、大人4人での走行テストも行ったが、多人数乗車でも1人乗りと変わらない安定感を保ちつつ上質さを失わなかった。

e:HEVらしい走りだが車重が少し気になるかも!?

新型フリードに搭載されている直列4気筒1.5Lエンジン
新型フリードに搭載されている直列4気筒1.5Lエンジン(筆者撮影)

e:HEVの駆動用電動モーターは、最高出力123PS、最大トルク25.8kgf・mを発揮する。主に発電を受け持つ直列4気筒1.5Lエンジンは106PS/13.0kgf・mだ。対して試乗モデルの車両重量は1560kg。正直なところ、筆者1人乗りの状態であっても絶対的な動力性能として若干の物足りなさを感じた。細かくみていくと、アクセルペダルの踏み方にして最大30%程度の領域ではまったく不足ない走りっぷりが実感でき、電動モーターの強みである淀みないトルクで一体感の高い走りが楽しめた。

ただ、都市高速の本線合流時など、大きくアクセルを開けた場合の加速フィールにはもうひと伸び欲しいと感じた。速度のノリは十分だし、有段ギアのように走行状況に応じてエンジン回転数が上下する「リニアシフトコントロール」が機能するためリズミカルな加速が楽しめる。が、体感的には線の細さを感じた。同じシステム構成の「フィットe:HEV BASIC/4WD」(車両重量1260kg)では終始、力強い走りが体感できたことからも約24%におよぶ車両重量差が利いているのか……。

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