今「仕事を掛け持ちしない」のはリスクでしかない 安定した収入があれば新しいことを始められる

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私の場合も、2つの仕事を掛け持ちしているからといって、みなさんの2倍忙しいというわけではありません。一方の仕事で得た経験を他方の仕事に生かすという掛け算のおかげで、むしろ時間は節約できています。

実は私は、周囲の人が考えているよりずっとひま人なのです。

それはなぜか。逆説的なことをいうようですが、要するに最初から私は「時間が足りない」ことをやろうとしているからです。

たとえば、2時間しかないときに、普通にやれば2時間ずつかかる3つの事柄を抱えているとします。そのすべてを終えるため、私は、それぞれにベストな時間の割り振りをし、ときに手の抜き方を真剣に考えます。それでなんとかしているのです。

具体的にいえば、常に電話を取れる環境(場所)を探し、そこで電話を受けながら別の作業をする……などです。

私はこうしたことを繰り返してきたので、一般的に6時間かかるとされていることを2時間で片付けるくせができあがっています。となれば、残りの4時間はまったく関係ないことに費やせるわけで、どんどん世界が広がり、新たなビジネスチャンスも生まれるわけです。

大谷選手が二刀流をこなせる訳

ところが、たいていの人は「それぞれ2時間ずつかかる」というところを動かさずにスタートします。そして、「2時間+2時間+2時間=6時間かかる」と、相変わらず足し算をしています。

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おそらく、1つのことだけをやっているときは、そこにあるムダは見えません。だから、いとも簡単に「これ以上なにかやる余裕はない」という結論に至ります。

でも、実は“隠れた時間”があって、それは「2つ以上のことをやろう」としたときに初めて発見できるのです。

大谷翔平選手が二刀流をこなせるのは、投手としてのトレーニングも打者としてのトレーニングもこなしているからです。しかし、彼だけ1日が48時間あるわけではありません。

大谷選手は、みんなと同じ24時間をどう使うか工夫を凝らし、自分なりの方法を生み出しているはずです。ところが、1つのことを一生懸命にやっているほかの選手には、それが見えていないのかもしれません。

人間の可能性は、多分にあふれているのです。

富永 雄輔 進学塾VAMOS(バモス)代表

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とみなが ゆうすけ / Tominaga Yusuke

幼少期の10年を過ごしたスペインのマドリッドでサッカーに出会う。帰国後、日本の中学校・高校を経て京都大学経済学部に入学。大学卒業後、東京・吉祥寺で「進学塾VAMOS」を設立。現在は東京都内で5教室を展開。先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、毎年首都圏トップクラスの、志望校への高い合格率を誇り、子どもの主体性や個性に着目した論理的な授業で生徒の成績を伸ばし、圧倒的な支持を集めている。自身のサッカー経験を活かし、現在は塾経営と合わせて、サッカー選手を中心としたスポーツ選手のマネージメント事業も行っている。

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