今「仕事を掛け持ちしない」のはリスクでしかない 安定した収入があれば新しいことを始められる

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しかし、これからは1つのやり方にこだわらず、1つの職業にこだわらず、1つの立場にこだわらず、いくつもの選択肢を生かしながら、「掛け算」で結果を増やしていくことを考える時代です。

1カ月に10の努力をした場合、掛け算ならば2カ月後には100になります。いってみればレバレッジをかけられるわけです。

今後、そういう掛け算の働き方をする人たちが多く出てくるはずで、そのなかで職人気質の足し算にこだわっていれば、どんどん引き離されてしまいます。

だから、掛け算はむしろ大谷選手のような天才ではなく、凡庸な人ほどやっていかねばなりません。

最初から“全体の1%”に入れるような天才の逸材なら、足し算だけでも相当な成果は出せるでしょう。でも、“99%”の凡人の中にいる場合、そこで上のほうに行こうと思ったら、選択肢をたくさん持ち、掛け算で自分を伸ばしていくことが必要です。

「選択肢が1つしかない」はリスク

AIによって、今ある仕事が次々となくなることが予想されているなかで、複数の仕事を持たないことは、そもそもリスクでしかありません。

みなさんの子ども世代はもちろん、今、成功しているみなさんも、いくつもの異なることをどんどんやっていきましょう。やってみて合わなければやめればいいだけの話なので、躊躇する必要なし。柔軟になんでも挑戦してみましょう。

私自身、複数の仕事を持つという掛け算の仕事をしている1人です。

私は幼少期の10年間を、父親の仕事の都合でスペインのマドリードで過ごし、11歳のときに日本に戻りました。そして日を重ねるごとに、私のなかで育っていった強い思いが2つありました。

1つは、日本の教育に携わりたいということ。

スペインから帰って、私は日本の教育制度の素晴らしさを痛感しました。日本人は子どもでも礼儀正しく、ほぼすべての人が読み書きができます。これは、スペインでは考えられないことでした。

それなのに日本人は、どこか自信なげで、世界においても主体性を示せないでいることが残念でした。私は、グローバルに活躍できる子どもたちの成長を手助けしたいと考えるようになりました。

もう1つ、サッカーまみれで育ったスペイン時代の知識と人脈を生かし、日本人選手と世界のサッカー界の架け橋になりたいという思いがありました。

私は、2つのどちらかを選択するのではなく、どちらも実現しました。

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