不振ミクシィの焦り、独自機能を次々と廃止

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訪問者数減少の理由は、2500万人いる登録ユーザーの大半を占める学生と若年女性の離反だ。当初招待制のみで知人同士中心のコミュニケーションが支持されたが、10年3月に廃止。今年6月には、どのユーザーが自分のサイトにアクセスしたかを知る「足あと機能」の常時表示もやめた。これには異例の1万7000人が反対署名をミクシィ側に渡すなど、コアユーザーから強い反発を招いた。

自社の特徴を薄めてでも間口を広げたいのは、来年にも訪問者数が世界で10億人を突破するフェイスブックの存在が大きい。同社はオープン性を売りに利用者を拡大しており、「電話やメールに代わるコミュニケーションインフラにもなる」(SNS活用のコンサルを手掛けるループス・コミュニケーションズの斉藤徹社長)、お化け的存在だ。

同業のグリーとDeNAがゲームを軸に急成長した焦りもあり、ミクシィは従来否定的だったゲーム強化も打ち出した。ますますコアユーザーの離反を招きかねないジレンマもある中、大きな岐路に立たされている。

ミクシィの業績予想、会社概要はこちら

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(二階堂遼馬 撮影:谷川真紀子 =週刊東洋経済2011年12月10日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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