堅調なユーロ相場はこれからも続くのか--ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授

このところユーロが対ドルで比較的堅調な相場となっているのはやや不可思議だ。通貨市場の参加者たちは、ユーロ圏の諸政府による最新のユーロ救済「総合対策」が2~3カ月以上持ちこたえると本気で信じているのだろうか。

この新しい計画が頼りにしているのは、一つには怪しげな金融工学的手法をいくつか併用することだが、疑問の余地が多い。そしてもう一つは小規模な資金を出すというアジアからのあいまいな約束である。民間銀行が保有するギリシャ債務を50%削減するという提案は同計画のいちばんよい部分だが、これでさえ同国の債務と成長に関する根深い問題を安定化するのには十分でない。

それではどうしてユーロは、米ドルに対して40%のプレミアムで取引されているのか。私に考えることができるのは、なぜユーロが下落する必要があるかを示す非常に正当な理由一つと、なぜユーロが安定または上昇すべきであるかを示すあまり確信のない理由六つである。

なぜユーロが下落する必要があるかをまず見てみよう。

財政および政治的な統合の大幅な強化には憲法の修正を要するが、そうした統合強化へ進む明確な道筋がない。そのため、ユーロのシステムを維持することはますます困難になっている。欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏のソブリン債(ジャンク債)を大量に購入せざるをえなくなることは明らかだと思われる。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 高城幸司の会社の歩き方
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • ゴルフとおカネの切っても切れない関係
  • 360°カメラで巡る東京23区の名建築
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
デザインの力で開く新たな価値観<br>プロダクトデザイナー 柴田文江

オムロンの体温計「けんおんくん」やコンビのベビー用品。暮らしに関わるプロダクトのあり方と、身体性を反映した柔らかな造形を追求してきた柴田氏の作品だ。女性初のグッドデザイン賞審査委員長への歩み、そして今考えていることとは。