中国が米国を抜く日は21世紀前半に来ない--ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学教授


経済成長によって中国は国力をもたらす資源の面で米国に近づくが、必ずしも中国が最強国争いで米国を追い越すわけではない。中国のGDPが、10年以内に米国を抜くのはほぼ確実だ。しかし、そうなっても1人当たり国民所得で中国は米国に何十年も追いつけないだろう。

さらに、たとえ中国で国内政治の大きな後退がなかったとしても、現在の多くの予想は単純にGDPの成長に基づいており、軍事とソフトパワーにおける米国の優位や地政学的に見た中国の不利な立場は考慮されていない。

日本やインドなどは、中国の国力と釣り合いを取ろうとして米国のプレゼンスを歓迎するが、これは、メキシコとカナダが北米で米国と釣り合いを取るために中国との連携を目指すようなものだ。

米国は、絶対値ベースでの経済的凋落という問題を抱えているが、米経済は今なお非常に生産的だ。米国は研究開発費の総額で1位、大学ランキングで1位、ノーベル賞受賞数で1位、そして起業に関する指標でも1位を維持している。

世界経済フォーラムによれば、(経済規模の小さいスイス、スウェーデン、フィンランド、シンガポールに続いて)米国は世界で5番目に競争力が高い。中国は26番目にすぎない。さらに、米国はバイオテクノロジーやナノテクノロジーといった最先端技術でも先頭に立っている。

リー・クアンユーの鋭い米中比較論

米国社会は、1世紀前に国力の頂点にあった英国のように動脈硬化を来す、と懸念する専門家もいる。しかし、米国文化は、実業家の子息たちがロンドンで貴族の称号と名誉を求めた英国よりもずっと起業家精神にあふれ、分権的である。

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