西日本で新たに新幹線が走るのはここだ! 特急列車の運行本数を基に独自予想

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智頭急行所有の車両、特急スーパーはくと。京阪神ー鳥取を結び、智頭急行線内では制御式振り子運転を行う

大阪市-鳥取市付近-松江市付近-下関市間を走る山陰新幹線という計画がある。

結論から言うと、山陰新幹線の必要性は薄い。山陰・福知山・小浜・北近畿タンゴ鉄道線、山陰・播但線、智頭急行、伯備線、山陰・山口線の各系統の特急列車をつなぎ合わせて占ったとしても、本数、総連結両数はいずれもそう多くはないからだ。本数の最多は山陰・山口線系統の米子-出雲市間で本数は44本、総連結両数は148両であり、在来線の輸送力で事足りる。

山陰横断新幹線という構想もある。この新幹線のルートは不明だ。ただし、岡山市-倉敷市-米子市-松江市という経路をたどると考えると、岡山-新倉敷間は山陽新幹線、米子市-松江市間は山陰新幹線に乗り入れるのであろう。

必要性の見極めには伯備線系統の特急列車の本数と総連結両数とが必要となる。本数は30本で総連結両数は120両と、在来線だけで十分な輸送力を備えており、いま山陰横断新幹線を建設する理由はない。

そのほかに今回、阪和・紀勢線系統の「くろしお」(京都・新大阪-和歌山・海南・紀伊田辺・白浜・新宮間)と東海道・大阪環状・阪和・関西空港線系統の「はるか」(米原・草津・京都-関西空港間)は停車駅の都合で別系統として扱った。

だが、東海道線の京都-新大阪-福島間、大阪環状線の福島-天王寺間、阪和線の天王寺-日根野間では同一の線路を運転されるため、厳密に算出すれば本数、総連結両数ともはね上がる。具体的には新大阪-日根野間では「くろしお」(新大阪ー和歌山間)と「はるか」(京都ー関西空港間)を合計すると、本数は81本、総連結両数は507両だ。

新大阪-日根野間の営業キロは49.7kmであるから、新幹線の必要性は薄い。とはいえ、大阪環状線や阪和線の輸送力が行き詰まりを見せていることは明らかであるので、線路の増設や新たな通勤路線の整備は検討されてよいはずだ。

JR四国の新幹線計画は

四国に関して策定されている新幹線の計画は2つ。四国新幹線大阪市-徳島市付近-高松市付近-松山市付近-大分市間の一部、四国横断新幹線岡山市-高知市間の一部だ。

両新幹線とも、本州と四国との間や四国と九州との間に橋梁を架け渡すかトンネルを掘らなければならないという特徴をもつ。四国新幹線に関していうと、兵庫県淡路市-徳島県鳴門市間の大鳴門橋のみ、将来の新幹線の建設に考慮した設計が施されているが、兵庫県神戸市-同淡路市間の明石海峡大橋は対応せず、また四国-九州間の橋梁やトンネルはこれから建設が必要だ。したがって、四国新幹線の必要性の見極めには膨大な額に上る建設費の存在も忘れてはならない。

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