保育士たちのPTSDを手厚くケア、保育園大手JPホールディングスの「JPスクラム・プロジェクト」
「東日本大震災」は、企業経営のあらゆる面に大きな影響を及ぼしている。保育園事業の最大手企業・JPホールディングスは、この5月に「JPスクラム・プロジェクト」をスタートさせた。
「東日本大震災」の発生地域にかかわる保育士たちの心的外傷後ストレス障害(PTSD)のチェックなどメンタルヘルスのケアを継続的に行うというのが、「JPスクラム・プロジェクト」の主たるミッションだ。
通常業務をこなしながらだが、「発達支援チーム」4名を配置した。さらに筑波大学大学院人間総合学研究科の松井豊教授、安藤智子准教授の協力を仰いでいる。メンタル面で深い傷を負った保育士には、松井教授、安藤准教授などのサポートでケアを進める。
JPホールディングスは、千葉県・浦安はもとより宮城県・仙台など関東以北で97カ所の保育園を運営している。被災地地域で保育士資格を持つ人に住居を提供するなどの好条件で採用もしている。
保育士は全員で1190名。保育園長クラスの幹部への集中講習から始め、保育士たちのカウンセリングを実行。もちろん、コストや時間が膨大にかかる。しかし、山口洋社長は、それを度外視しても取り組む決意を固めた。カウンセリングは継続されている。
「いつまでやると明確な期限は設けていない。少なくとも大震災から1年やってみて、その後どうするかは事態をみて判断する」(山口社長)
先輩&後輩社員が触れ合うことでストレスを減らす制度
JPホールディングスは、実は、4月から「チューター制度」という新しい試みをスタートさせている。