初の生え抜き社長が登板、再生を期す日本ユニシス
1958年、米国のコンピュータ会社スペリーと三井物産の出資でスタートした日本レミントン・ユニバック。その後、日本ユニバック、日本ユニシスと変貌を遂げてきた。かつてはメインフレーム中心の大型コンピュータ販売が主力だったが、今では機器の取扱比率は10%程度と大きく低下。2006年に米国ユニシスとの資本関係もなくなり、事業の中核はシステム開発とサービスに移っている。
歴代社長は、創業当初から三井物産出身者が続いていたが、この歴史に終止符を打ったのが、今年6月に就任した黒川茂社長だ。大手金融機関向け基幹系システムの導入を長く担当し、現場への愛着が強い。
日本ユニシスは、08年3月期の売上高3310億円をピークに徐々に業績後退が続いている。11年3月期にはピーク比で売上高25%ダウン、営業利益は3分の1に後退。12年3月期も、前期末の子会社譲渡により、黙っていれば売り上げはさらに100億円下降する。官公庁のIT投資回復も見込めない。しかし、あえて前年並みの売り上げを目指している。勝算はあるのだろうか。