初の生え抜き社長が登板、再生を期す日本ユニシス

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「社長就任後、東北以外の主要顧客を訪ねたが、BCP(事業継続計画)に関連して、ITに求められる役割が、サービスを中心に大きく広がっていることを再認識した。コスト削減、省力化から一歩進んだ形が求められている」(黒川社長)

かつては、要求された仕様をスケジュールとコストを守って提供すればよかった。しかし、企業がITに求めるものが時代とともに変化しており、迅速な対応が必要なのだ。

システム開発企業にとって永遠の課題は、不採算案件をなくすことである。不採算案件が出る最大の要因は、顧客の要求と現場の認識とのズレから発生するクレーム処理費用だ。修正のために投入しなければならない時間と人手は、単にその案件のコストを引き上げるだけでなく、ほかの案件の人手不足を招くなど大きなマイナスの影響を及ぼす。

不採算案件を解消するには、顧客と事前の認識を一致させておくことが最も大切だ。これまで、こういった不採算案件処理の支援に入ることが多かった黒川社長は言う。「技術も重要だが、顧客との一体感が最も大切。これが思考の原点にある」。

売り上げ責任を負う営業部隊と、原価責任を負うシステム技術部隊の融合が必要ということで、社長就任に先立つ4月1日には組織変更を実施し、営業とシステムの一体化を図った。きめ細かな対応を目指しつつも、既存のアプリケーションをカスタマイズなしで活用し簡便化するなど、メリハリをつける。

強みを生かす既存事業 EV充電網構築に着手

不採算案件の解消、既存ビジネスだけの展開で大きな成長は望めない。新規事業を立ち上げていく必要がある。

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