存在感増す「ビデオ判定」ジャッジ支える技術の今 ソニー、スポーツ観戦「もっと楽しく」の超進化
このホークアイの日本でのビジネスを統括しているのが、ソニー・スポーツエンタテインメント事業部の原知彰氏だ。
「ホークアイは審判判定支援サービスを強みとしており、サッカーや野球など世界のスポーツリーグや連盟と直接ビジネスを行っている。25以上の競技において90以上の国と地域、500スタジアム、年間2万イベント以上で運用されている」
ホークアイの基幹技術は「ビデオリプレイ」「トラッキング」「データ取得」の3つにある。
中でも「ビデオリプレイ」のVARでは、FIFA(国際サッカー連盟)のルールに基づいて、レフェリーにどう見やすい映像を提供するのか、そのオペレーションも含めて運用をしている。VARではオペレーターも審判資格が必要で、フィールドの審判と一緒に一定レベルのトレーニングを受けている。
サッカーのほか、日本国内でもバレーボールVリーグ男女のチャレンジシステム、バスケットボールBリーグ男子のビデオ判定、ラグビーリーグワンのTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)、競馬の騎乗違反判定などでも利用されている。
「激しいプレーの多いラグビーでは、脳震盪の疑いがある選手は一時退場して医師による診断を受けなければならない。HIA(ヘッドインジュアリーアセスメント)というサービスでは、ビデオリプレイ技術を使っていろいろな角度から危険なシーンの映像を確認。接触時の状況を知ることで診察に役立ててもらっている」(原氏、以下同)
ボールのトラッキングで瞬時に判定
トラッキングについては、ボールのトラッキング技術を用い、サッカーでのゴール判定(GLT)のようにシンプルにボールがラインを超えたかどうかの判定を行っている。
「各方向から7台のカメラを設置し、3Dで空間認識してラインを越えたかどうかを計測している。ラインを越えた確かなゴールであれば、審判が手首につける時計のようなデバイスに瞬時に連絡がいくようになっている」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら