混迷スカイマーク再建、「主導権争い」の内実 再生手続きは日米航空大手も巻き込む展開に
仮に、どちらかの案が2つの要件を満たせば、その案が再生計画として認可され、11月末までに基本弁済が実施される予定だ。
だが、いずれの案も2つの要件を満たせなければ、否決となる。その場合は、2カ月以内にあらためて債権者集会を開き、決議投票をやり直す。繰り延べの回数に法的な制限はないが、通常は1回、多くても2回というのが複数の弁護士の見解だ。
両案否決が続くとどうなる?
3度目の債権者集会でも両案が否決されれば、どうなるのか。可能性が高いのは、裁判所によるスカイマークの民事再生手続き廃止だ。そして、その先にある現実的な選択肢は、会社更生法、もしくは破産法に基づく法的整理手続きへの移行となる。
会社更生は民事再生に比べて再建に長期間を要する。その場合に懸念されるのは、経営と運航に対する不安が利用者に広まり、客足が落ち、財務がさらに悪化する事態だ。
一方、破産は管財人の下で事業や資産の売却が進み、比較的短期間で弁済を進められる。が、事業売却の過程で、運航の混乱や利用者の乗り控えが起こる懸念がある。そうなれば、事業や資産の価値が損なわれ、債権者への弁済に支障が生じる可能性もある。
結局、現行の2案のうち、どちらかを早期に実行に移すのが最も有効なのだ。はたして両陣営は妥協点を見いだすことができるか。
(「週刊東洋経済」2015年7月25日号<21日発売>「核心リポート04」を転載)
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