ダイハツ工業が”第3のエコカー”を発表、伊奈社長「トヨタ参入で軽市場が拡大する」

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ダイハツ工業が”第3のエコカー”を発表、伊奈社長「トヨタ参入で軽市場が拡大する」

ダイハツ工業は9月20日、新型軽自動車「ミラ イース」(=写真=)を発売した。新型エンジン・変速機の採用や軽量化、アイドリングストップ機能などを総合して、新しい燃費基準(JC08モード)で30km/リットルとガソリン車ではトップの燃費性能を確立。さらに最廉価で79・5万円、量販価格で99.5万円という低価格をあわせて実現した。

「日常の足という軽の原点に戻り、低燃費、低価格、省燃費を徹底的に追及した。環境性能に優れ、誰もが乗れる”第3のエコカー”を提供する」。同日の会見で伊奈功一社長は、こう強調した。

ミラ イースは燃焼効率の向上とエネルギーロスを低減させた新エンジン、新CVT(無段変速装置)を採用。骨格の合理化により車両重量を730kg(2WD、CVT)と、従来比で約60kgも軽量化した。車速が7km以下になるとエンジンが停止する、新しいアイドリングストップ機能も搭載した。

2009年9月から取り組む調達改革も生かされている。イースでは調達先約300社のうち、新規の調達先が14社、既存ながら新しい部品へ展開した調達先が18社含まれる。今回初めて中国・韓国のサプライヤーも数社採用し、「円高の傾向にあわせ、今後も積極的に増やしていく」(伊奈社長)。

今後ダイハツではイースで確立した高燃費・低価格技術を、「ムーブ」「タント」など他の主力車種にも展開する方針。また伊奈社長は、成長が続くインドネシアにも同技術を活用する考えを示した。インドネシアでは政府のエコカー構想(一定の基準をクリアした環境車に対する投資や販売面等での優遇)が近いうちに公表される見通しで、今回の高燃費・低価格技術はインドネシアでも一つの武器となりそうだ。

イースの年間販売計画は12万台と、月販1万台ペースの強気の販売を想定する。「ここにきて販売の手応えが戻ってきた。当初、11年度の軽市場の全体を150~155万台(10年度163万台)と想定していたが、158万台は可能だろう」(馬場建二営業本部長)。軽市場が回復トレンドに向かう中で、イースの販売を起爆剤としたい考えだ。

また9月下旬からはトヨタ自動車がダイハツからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、軽自動車市場に参入する。それに対し伊奈社長は「消費者の軽に対する認知度が高まり、市場拡大が期待できる」と語る。ダイハツからトヨタに対するOEM供給は3車種・6万台に限定されており、トヨタ参入はすぐには脅威とはならないという考えを改めて示した。

(並木 厚憲 =東洋経済オンライン)

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