ソフトバンク元副社長が喝「老害」の無意味な悪癖 若者との仕事では「致命傷」になりかねない

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「この体質を抜本的に変えない限り、日本の没落はもはや避けられない」と、私は常日頃から考えており、事ある毎にそのことを口にもしていますが、ここでも、敢えてそのことを、再度強調したいと思います。

これからまた若い人たちと一緒に、これまでとは異なった環境で働こうとしている高齢者がもしいるとすれば、その人たちには、そのことを特に強くアドバイスしたいと思っています。

決定と行動のスピードは速ければ速いほど良い

私のアドバイスは、具体的には、「とにかく全ての決定と行動のスピードを、今まで慣れ親しんできたペースから一桁上げるように努力しましょう」ということに尽きます。

結果として、もしそれが、周囲の人の目から見ても「速すぎる」という結果を招いたとしても、ちょっと驚かれるだけで、大きな害はないでしょう。

高齢者と呼ばれる歳になった人たちは、普通にやっていれば「遅すぎる」と思われる可能性の方がはるかに多いと思うので、とにかくやってみる価値はあるはずです。

「仕事」というものは種々様々ですから、わざと決定と行動のスピードを遅らせた方が良いという種類の仕事もあります。

その典型は「購買」です。

売る側は、とにかく買い手に迷う暇を与えず、一刻も早く契約に持ち込もうとあの手この手を使ってきますが、買い手は最後まで多くのオプションをキープして、なかなか決定しない方が交渉を有利に進められるのが普通です。

ぬらりくらりで時間を稼いでいれば、売り手は次第に焦ってきて、当初は考えていなかったような、相当大きな譲歩に踏み切る可能性もあるからです(買い手の側だって、いつまでも決定しないで済むわけはありませんから、やり手の売り手なら、そこを見抜いて、わざと断念した素振りを見せたりして揺さぶりをかけますが、一般論としては、こういう形になるのが普通なのです)。

しかし、ビジネス全般についていうなら、決定と行動のスピードは速ければ速いほど良いと、肝に銘じておいた方が良いでしょう。

時間がかかれば、それだけ「成果を出せる時期が遅れる」、つまり「利益が減少する」というだけでなく、「機会を逸する(競争相手に機会を奪われる)」という致命的な失策につながる可能性があるからです。

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