日米の法律の違いは、飲食運転で検挙される米兵の多さにつながっている。
日米で異なる飲酒文化
アメリカの多くの州では、酒気帯び運転の基準値は血中アルコール濃度0.8mg/mL。1時間に1杯以上アルコールを飲まない、2杯飲んだら2時間運転しないというルールになっている。一方で日本の道路交通法では純アルコール20g(ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯)を飲んだ程度の血中アルコール濃度0.3mg/mLに相当する、呼気中アルコール濃度0.15mg/Lが検出されると酒気帯び運転になる。
体重60kgの人間で、純アルコール20gが体内から消えるのにかかる時間は4時間。アメリカ国内と同じ感覚で仮眠・休息を取った後や翌朝に運転して、酒気帯び運転で検挙される米兵が後をたたないのはここが大きい。
日本に赴任するすべての米兵とその家族は必ず着任直後に研修を受け、日本の飲食運転の規制について説明されるが、ひとたびアルコールを口にするとダメだという。アメリカのアルコール文化自体が健康的なものではないからだ。
ハリウッド映画やアメリカのドラマで、若い男女がテキーラをショットグラスで何度も一気飲みする光景を見たことがあるだろう。あのような飲み方が習慣化していると、適度な酒量で飲むのをやめるのは難しい。
米兵の事件・事故のほとんどはアルコール絡みだという。飲食運転だけではなく、窃盗や器物損壊、不法侵入、暴行などを犯すときも大抵酔っている。そのため米軍基地内では、単身者の宿舎へ持ち込めるアルコールの量や種類を制限している。
階級が下の兵士はビール6本まで。中堅になるとビール12本まで。幹部はウイスキーも持ち込み可だ。在沖米軍は基地内のスーパーマーケットにアルコールをおかない、基地内のイベントではノンアルコール飲料のみを出す、などの措置も行ってきた。
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